世界報道写真展2024京都

WORLD PRESS PHOTO 2024 KYOTO
主催:一般社団法人KYOTOGRAPHIE
特別協力:一般社団法人KYOTOGRAPHIE

オープンフォーマット部門アジア地域優勝者/「心の糸」/松村和彦(日本)京都新聞社

World Press Photo(世界報道写真展)は、オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)が開催するWorld Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)の入賞作品を展示するものです。世界報道写真コンテストは、前年の最も優れた報道写真とドキュメンタリー写真を表彰し、その功績を称えます。

今年は130の国と地域約4,000人から約6万の写真とプロジェクトの応募があり、入賞者約30人の作品を展示します。写真展は、イスラエルによるガザ地区への攻撃やロシアによるウクライナ侵攻、ミャンマーの軍事政権による市民弾圧で、尊い人命が奪われていることを伝えます。アマゾンの干ばつやカナダの森林火災、アメリカやフィジーの海面上昇など同時多発的に気候変動による環境問題が起こっていることも一目瞭然です。

2024年11月30日(土)~12月29日(日)の期間、京都新聞ビル地下1階印刷工場跡を会場に、「世界報道写真展2024京都」(主催:世界報道写真展2024京都実行委員会)を開催します。毎日、国内外のニュースを印刷していた印刷工場跡を会場に、写真の持つ力、報道の役割を考える機会にしていただければ幸いです。

© Photo of the Year / “A Palestinian Woman Holding the Body of Her Niece” / Mohamed Salem (Palestine) Reuters
ストーリー・オブ・ザ・イヤー(Story of the Year)/「ヴァリナ・バベナ」/リー・アン・オルウェージ(南アフリカ)for GEO
長期プロジェクト賞(Long-Term Project Award)/「2つの壁」/アレハンドロ・セガラ(ベネズエラ)The New York Times/Bloomberg

開催概要

名称

世界報道写真展2024京都

会期

2024年11月30日(土)~同12月29日(日)※12月15日(日)は休館

開館時間

午前10時~午後6時

会場

京都新聞ビル地下1階印刷工場跡(京都市中京区烏丸通夷川上ル)
Google Mapsで開く

入場料

無料

主催

世界報道写真展2024京都実行委員会(京都新聞、世界報道写真財団)

特別協賛

富士フイルム株式会社

特別協力

一般社団法人KYOTOGRAPHIE

助成

オランダ王国大使館

後援

京都府、京都市、KBS京都、エフエム京都

お問い合わせ

事務局(京都新聞COM事業推進局内)
電話:075-255-9757(平日午前10時~午後5時)
E-mail:wpp2024kyoto@mb.kyoto-np.co.jp
X、Facebook、Instagramのアカウント:@wpp2024kyoto

展示作家•松村和彦について

© 2024 アジアオープンフォーマット松村和彦 京都新聞

京都新聞の写真記者・松村和彦が連載「700万人時代-認知症とともに生きる」で撮影した約30枚の写真を「心の糸」と題して、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2023のメインプログラムで展示した後、革新的な表現を求める世界報道写真コンテストのオープンフォーマット部門に応募。アジア地域の優勝者となりました。松村は、認知症の本人の心情と症状を写真と文章で表現し、誰もが自分や身近な人が認知症になる時代を迎えた超高齢社会の日本のあるべき社会像を伝えようとしました。

松村和彦「心の糸」
八竹庵(旧川崎家住宅)2F
©︎ Kenryou Gu – KYOTOGRAPHIE 2023
松村和彦「心の糸」
八竹庵(旧川崎家住宅)2F
©︎ Kenryou Gu – KYOTOGRAPHIE 2023
KG+ SELECT グランプリ2022「心の糸」
KYOTOGRAPHIE 2023 マスタークラス 「境界線を越える」 © Hiroshi Yamauchi

KYOTOGRAPHIEは、松村が国際的な舞台で注目を集めていることを誇りに思っています。松村は、これまで様々なKYOTOGRAPHIEのプログラムに深く関わってきました。

World Press Photoは、日本でも「世界報道写真展」の名称で親しまれ、長年開催されてきました。前年の入賞作が一堂に会する写真展が開催されたのは2021年が最後でした。2022年と2023年には、World Press Photoの入賞作をテーマ別に選出した写真展がKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭のメインプログラムの一部として紹介されました。「世界報道写真展」の国内開催を「復活」させるきっかけとなったのは、京都新聞の連載「700万人時代-認知症とともに生きる」の写真シリーズが今年のコンテストで入賞したことでした。入賞した京都新聞記者の松村和彦は、世界報道写真財団の展示担当ディレクター、バベット・ワレンドルフさんと日本開催について話し合い、かつて新聞を印刷していた京都新聞ビル地下の印刷工場跡を会場に開催することとなりました。この写真展は、世界各地で起こっていることと日本が、つながる場になります。

京都新聞ビル地下の印刷工場跡について

© 京都新聞ビル地下1階印刷工場跡 – Naoyuki Ogino

御所の南西にある京都新聞ビル。その地下には、2015年まで印刷工場がありました。地下1階から2階まで高さ10m弱、約1,000m2に及ぶ空間で、輪転機が稼働していました。新聞用ロール紙を工場に搬入すると、輪転機で紙面が印刷され、天井に向かってうねるキャリアで3階発送フロアへ搬送、自動的に結束・梱包された新聞は、ベルトコンベヤーでトラックに積み込まれ各地に配送となりました。一連の流れは驚異的なスピードで行われ、50万部の朝刊と30万部の夕刊を刷っていました。鉛版による凸版輪転印刷から多色オフセット印刷へ。1974(昭和49)年から約40年の間、工場では絶えず技術の変遷が繰り返されてきました。しかし、久御山町に印刷拠点を一元化することが決まり、2015年11月末に工場は閉鎖されました。ここにいると、いまだにインキの香りがふと鼻をかすめる。印刷工場だった時代はまだ過去にはなっていない。さまざまな用途に使われるスペースとして、再び命が吹き込まれたかのようにも見えます。

クラウドファンディングを実施

主催者の「世界報道写真展2024京都実行委員会」は、開催費用を補うために、クラウドファンディングで支援金を募っています。今回の展示では、世界報道写真財団の本部があるオランダ・アムステルダムで今年春から夏にかけて開かれたワールドプレミア展のプリントを輸入する許可を同財団から特別に得ました。支援金は、輸送費や会場設営費などに使われます。

コンサルティング「How to Create a Winning Portfolio」

世界報道写真展に合わせて、12月22日(日)、プロの写真家や写真記者、写真を学ぶ人、フォトエディターなどを対象に、コンサルティング「How to Create a Winning Portfolio」を開催します。World Press Photoの審査員や、KYOTOGRAPHIE ポートフォリオリビューでレビュワーを務める「Newsweek日本版」フォトディレクターの片岡英子さんが、約1時間の相談セッションで参加者と1対1で向き合い、それぞれが取り組むプロジェクトを発展させます。