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Lee Shulman & Omar Victor Diop リー・シュルマン & オマー・ヴィクター・ディオプ

The Anonymous Project presents Being There

Supported by agnès b.

セノグラファー:小髙未帆 (APLUS DESIGNWORKS)

嶋臺(しまだい)ギャラリー

10:00–18:00 休館日: 4月15日・22日・28日、5月8日

※入場は閉館の30分前まで

大人: ¥ 1,000

学生: ¥ 800 (学生証の提示をお願いします。)

パスポートチケット、単館チケットの詳細はこちら

「Being There」の会場に並ぶのは、ありふれたイメージです。家族のアルバムに収められた人生の断片、束の間の楽しいひとときや親密な瞬間の記録。しかし、誰かの思い出が詰まったこれらのスナップショットは、「壊れることのない幸福」という幻想を作り出しているにすぎません。喜びの場面だけを巧みに切り取ってフレーミングし、複雑な世界の問題は視界の外に追いやられています。「Being There」がフォーカスを当てているのは、その外側にある「不在」の世界なのです。
1950年代から1960年代にかけて北米で撮影されたこれらの写真には、第二次世界大戦後の経済復興と冷戦の緊張感が反映されています。しかし、この時代は人種差別問題や公民権運動真っ只中の時代でもありました。リー・シュルマンとオマー・ヴィクター・ディオプは、画面の中に本来は写っているはずのない黒人の姿を紛れ込ませることによって、これらの写真に映し出された一見何気ない光景に介入を試みます。このプロジェクトは、写真に漂う純粋無垢で美的なイメージを揺るがし、人種や階級、歴史的排除に対する強力な批判として提示しているのです。
オリジナルの写真の質感や粒子をそのまま保ちながら、シュルマンとディオプは「普通」と「異様」の間の緊張関係をうまく操ります。ディオプが写真の中に侵入することによって「異なる者の孤立」が明らかになり、その存在が違和感でありながらも静かな抵抗の行為へと変わります。その結果として生まれるのは、不穏でありながら予想外で、ときに遊び心さえ感じられるようなイメージです。しかしそこには鋭く容赦ない批評性もあります。「Being There」は明確な答えを提示しているわけではありません。見えているものについて、表象について、そして私たちが継承する物語についての再考を促しているのです。フィクションと歴史を交錯させることで、シュルマンとディオプは人種差別問題につきまとう困難に正面から向き合います。不快を沈黙に変えるのではなく、より深い問いと対話へとつなげるべきだと訴えているのです。
文:タウス・ダマニ

<span class="u-italic400">Being There_52-V1,</span> 2024, The Anonymous Project 
© Lee Shulman & Omar Victor Diop

Being There_52-V1, 2024, The Anonymous Project © Lee Shulman & Omar Victor Diop

<span class="u-italic400">Being There_27,</span> 2024, The Anonymous Project 
© Lee Shulman & Omar Victor Diop

Being There_27, 2024, The Anonymous Project © Lee Shulman & Omar Victor Diop

<span class="u-italic400">Being There_20,</span> 2024, The Anonymous Project 
© Lee Shulman & Omar Victor Diop

Being There_20, 2024, The Anonymous Project © Lee Shulman & Omar Victor Diop

Fees 入場料

大人: ¥1,000

学生: ¥800 (学生証の提示をお願いします。)

会期中1回、全会場に入場できる特別パスポートチケットもございます。
詳しくはこちらをご覧ください。

artist アーティスト

Lee Shulman リー・シュルマン

ロンドン生まれ、パリ在住。アーティストであり、広告やミュージックビデオの分野で受賞歴のある映像作家であり、アノニマス・プロジェクトの創設者である。ウェストミンスター大学を卒業後、リーは2017年にヴィンテージ写真のスライドを無造作に箱買いし、かつての暮らしが映る窓とも言えるその魅力に心を奪われ、アノニマス・プロジェクトを始めた。そしてとあるきっかけから、世界中の人々が忘却の彼方にあった家族写真を彼に送ってきた。数年後彼は80万枚の写真コレクションを築き上げ、そのすべてを整理、スキャン、アーカイブする非営利団体を共同で設立した。アノニマス・プロジェクトは現在、世界で最も重要なアマチュア写真コレクションのひとつとなっている。

Omar Victor Diop オマー・ヴィクター・ディオプ

1980年セネガルの首都ダカール生まれ。同世代で最も重要なセネガル人写真家の一人とみなされている。ダカールで育ったディオプは、文学や歴史を通じ豊かな想像力を培い、写真、コラージュ、創作など、さまざまな芸術分野で才能を発揮している。2011年以来、ディオプは歴史上の人物に扮したセルフポートレイトのポートフォリオを制作している。

Venue 会場

嶋臺(しまだい)ギャラリー

開館時間

10:00–18:00

※入場は閉館の30分前まで

休館日

4月15日・22日・28日、5月8日

住所

京都市中京区御池通東洞院西北角

アクセス

地下鉄烏丸線または東西線「烏丸御池」駅1番出口から徒歩1分

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