JR JR
JR, The Chronicles of Kyoto, 2024
セノグラファー:小西啓睦
フランス出身。道ゆく人に自分自身の認識と対峙するような問いを投げかける記念碑的なパブリック・アート・プロジェクトを発表している。パリ郊外に住むステレオタイプの若者の在り方に異議を唱えた最初の大規模プロジェクト〈時代の肖像〉(2004–06年)を制作後、国際的に活動を開始。パレスチナとイスラエルの分離壁のそれぞれの側に暮らす人々のポートレート(2007年)、ケニアの巨大スラム街キベラの電車の車両に出現する女性の目(2009年)、アメリカとメキシコの国境のフェンスから覗く巨大な幼児(2017年)など、実物を超えるサイズのインスタレーションは人々の日常の物語を拡張し、対話を促している。
JRは屋外だけでなく屋内でも作品を発表し、これまで世界各国で展示を開催している。ブルックリン美術館(2019年)やヨーロッパ写真美術館(2018年)で大規模な回顧展を開催したほか、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2022年)、サンフランシスコ近代美術館(2019年)、NGVトリエンナーレ(2020年)で作品やインスタレーションを発表している。
2017年、JRは市民参加型の壮大な壁画シリーズ〈クロニクル〉プロジェクトを開始。何百人もの人々を撮影し彼らのポートレートをコラージュして、その土地の特性や社会構造を現すリアルな構図を作り上げている。
2024年秋、JRと彼のチームは京都のさまざまな場所で移動式のスタジオを構え、道ゆく人に声をかけポートレートを撮影した。ポートレートはコラージュされ、京都における人々の関係性や多様性を垣間見ることのできる、リアリティーあふれる写真壁画作品〈JR京都クロニクル2024〉に結実し、KYOTOGRAPHIE2025にて発表される。