Eamonn Doyle イーモン・ドイル
K
With the support of the Government of Ireland
キュレーター:ニール・スウィーニー
1969年アイルランド・ダブリン生まれ。大学で絵画と写真を学び、1991年に卒業。1996年に国際的に評価の高いレコードレーベルのD1 Recordingsを設立し、およそ20年にわたり音楽制作とインディーズミュージックのためのビジネスに注力した。
2008年より写真制作を始め、2016年アルル国際写真祭にてにダブリン3部作(〈i〉,〈ON〉,〈End.〉)を発表。2019年にスペイン・マドリードのマフレ財団にて大規模個展を開催した。2024年、ドイツ写真アカデミーからダヴィッド・オクタヴィウス・ヒル・メダルを授与された。ドイルはダブリンのパーネル・ストリートのほど近くにある、すべての始まりともいえる場所に現在も住み制作活動を行っている。ドイルの音楽は、彼の展覧会や共同制作した映画作品の支柱となる要素を担っている。
KYOTOGRAPHIE2025では、ドイルの兄の急逝による母キャサリンの痛哭を映し出した作品〈K〉を展示する。キャサリンが亡き息子宛てに書いた手紙の筆蹟を、姿をみせることのない亡霊のような佇まいの像影が写る写真や、デイヴィッド・ドノホーがアイルランドの哀歌をもとに特別に作曲したサウンドと重ね合わせ、写真、暗喩、サウンドが痛烈な悲嘆の黙想へと昇華する。