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受付終了
Graciela Iturbide グラシエラ・イトゥルビデ
グラシエラ・イトゥルビデ
Presented by DIOR
キュレーター:エレナ・ナバロ
セノグラファー:マウリシオ・ロチャ・イトゥルビデ
※入場は閉館の30分前まで
「私にとって、色は幻想。私には現実が白黒で見えている」。
色彩のない抽象化されたその世界の中で、グラシエラ・イトゥルビデは素直な驚きを込めて自然体で日常の出来事を捉えることで、自分を取り巻くすべてのものを観察し、理解し、経験し、そして解釈しようと試みます。
イトゥルビデの世界に登場するのは、砂漠の民、サポテカ族の女性たち、そして「ムシェ」(女装の男性)の人々です。彼らはメキシコの原住民コミュニティの力強さを伝える伝統や儀式、有名な祭りをともに守り続けています。そうした物語の中には、空を飛ぶ鳥の群れ、地を這うヘビ、生贄に供されようとしているヤギの群れなど、生と死のメタファーも織り込まれています。
イトゥルビデの写真は、自然と人間が同化した姿を詩的なポートレートとして描き出します。そこには写真家の個人的な世界が、象徴性と想像力に満ちた美しいイメージとして紡ぎ出されています。イトゥルビデは見知らぬ異文化の地を訪れ、さらにまた別の土地へと巡る旅の中で、驚きに打たれながら、人々の足跡、夢、妄想をなぞるように辿っていきます。
乾燥した大地や庭園で捉えた奇妙な形態の植物や繊細な木々の姿には、イトゥルビデの植物に対する敬意が表れています。また、動かない石たちも、彫刻作品あるいは物言わぬ目撃者のように佇み、抽象的な写真表現の世界を確立しています。
本展は、メキシコ人フォトグラファー、グラシエラ・イトゥルビデの日本初の回顧展となります。60年にわたる美しい作品群を通じて、イトゥルビデが独自の視点で捉え続けてきた世界を垣間見ることができます。
文:エレナ・ナバロ

© Graciela Iturbide for Dior - Vogue Mexico 2023

Mujer ángel,1979, Sonoran Desert, Mexico © Graciela Iturbide

Nuestra Señora de las Iguanas,1979, Juchitán de Zaragoza, Oaxaca, Mexico © Graciela Iturbide
Fees 入場料
大人: ¥1,500
学生: ¥1,200 (学生証の提示をお願いします。)
会期中1回、全会場に入場できる特別パスポートチケットもございます。
詳しくはこちらをご覧ください。
artist アーティスト
Graciela Iturbide グラシエラ・イトゥルビデ
1942年メキシコシティ生まれ。1969年にメキシコ国立自治大学の映画研究センターで映画を学び、高名なメキシコ人写真家マヌエル・アルバレス・ブラーヴォの影響を受ける。
故郷メキシコの地域社会を撮影したモノクロ写真で知られ、1979年に出版した写真集『Juchitán de las Mujeres』は、彼女の生涯にわたるフェミニズム支持のきっかけとなった。イトゥルビデは、メキシコのソノラ砂漠やフチタンデサラゴサをはじめ、キューバ、パナマ、インド、アルゼンチン、アメリカなど世界各地にて撮影を行っている。
ハッセルブラッド国際写真賞、ウィリアム・クライン賞、メキシコ市芸術科学国家賞など数々の賞を受賞。
Venue 会場
京都市美術館 別館
- 開館時間
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10:00–17:30
※入場は閉館の30分前まで
- 休館日
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4月14日・21日