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Paolo Woods & Arnaud Robert パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール

Happy Pills

With the support of the Embassy of the Kingdom of the Netherlands and the Embassy of Switzerland in Japan

「幸せ」を定義する役割は、これまで長い間、宗教や哲学、あるいは政治が担ってきました。しかし今日、この普遍的なミッションは、次第に製薬業界の手に委ねられているようです。「幸せ」を追い求める人間の究極な願望に対して、すべての人々に標準化されたオートマチックな答えを提供すべく、製薬会社は現代のあらゆるツール(科学、マーケティング、そして通信)をフル活用しています。それは幸せであることが、いまだかつてないほどに強い義務感を伴うものとなっているからです。

「不思議の国のアリス」から「マトリックス」まで、集団的な無意識やポップカルチャーの中心的なモチーフとなっているのは、「薬」です。薬は、困難や抑うつ、人間という生き物に課せられる受け入れ難い制約に対して、魔法のように素晴らしい解決策をもたらします。化学による変身と治癒を約束する薬は、効率、権力、若さ、成果だけを信じるプロメテウス的な社会の完璧なメタファーです。つまりそれは、幸せであるように見えることが実際に幸せであることよりも重要であるということなのです。

写真家のパオロ・ウッズとジャーナリストのアルノー・ロベールは、「Happy Pills」(幸せの薬)を追い求め、5年間にわたって世界中を旅しました。薬は目に見えない傷を治し、人々にアクションを起こす勇気を与え、仕事を続けさせ、うつ病患者の重症化を防ぎ、家族を養うために働き続けるワーキングプアの人々を痛みから解放します。ニジェールからアメリカ、スイスからインド、イスラエルからペルーのアマゾンまで、世界中のあらゆる場所で、かつては永久に解決不可能だと思われた問題をただちに解決すべく、薬が使われているのです。

本プロジェクトは、書籍、展示、先日公開された映画による3部構成となっています。

展示風景  ©︎ Kenryou Gu-KYOTOGRAPHIE 2023

展示風景 ©︎ Kenryou Gu-KYOTOGRAPHIE 2023

©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert

©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert

©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert

©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert

©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert

©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert

Virtual Tour バーチャルツアー

artist アーティスト

Paolo Woods パオロ・ウッズ

Special Interview|パオロ・ウッズ 

2023年2月23日zoomにて
インタビュー・構成:田附那菜

パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール「Happy Pills──幸せの薬──」 
With the support of the Embassy of the Kingdom of the Netherlands and the Embassy of Switzerland in Japan
くろちく万蔵ビル2F
©︎ Kenryou Gu-KYOTOGRAPHIE 2023

コラボレーションすること

──「Happy Pills」は長期的なプロジェクトですよね。ウッズさんはアーノルド・ロベールさんとどのように知り合われたのでしょうか?

 これまで携わった全てのプロジェクトで、基本的には誰かとコラボレーションをしています。共同作業の可能性を信じているんです。セルジュ・ミシェルというスイス出身のジャーナリストと何年も一緒に仕事をしてきました。ある時、私はハイチに引っ越し、4年間そこに住むことになりました。その頃、セルジュはパリに本社のあるフランスの新聞『ル・モンド』紙の副編集長になり、彼とは一緒に旅に出ることができなくなりました。そこで、セルジュが同じスイス出身のジャーナリスト、ライター、また映画監督であるアルノー・ロベールを紹介してくれたのです。アルノーはハイチでの経験が豊富で、私たちは意気投合し、すぐにコラボレーションすることになりました。私たちの最初の共同プロジェクトはハイチをテーマにしたもので、ハイチを通常とは異なる視点からアプローチしようと試みました。よくテキストや写真で描写されるハイチの姿は、非常にステレオタイプなものですからね。アルノーがアーティスティックなアプローチを探求した結果、ハイチの物語を伝えるオルタナティブな方法を見つけたのです。

──「Happy Pills」というプロジェクトはどのようにスタートしたのでしょうか?

 私が同じく写真家のガブリエレ・ガリンベルティと金融業界をテーマにした「The Heavens」という大作を作り終えた時、アルノーはスイスのラジオで、スイスのハイテク研究所での医薬品開発についての記事を書いていました。ここで、私たちの関心はまた交差することになったのです。私は、製薬業界など、人々の生活に密接に関わりのある業界について何かやりたいと考えており、アルノーは消費者を通してストーリーを語ることにとても興味を持っていました。そこで、私たちは「Happy Pills」というプロジェクトを立ち上げ、本、展覧会、映像作品として発表しました。それがKYOTOGRAPHIEで展示される予定です。

パオロ・ウッズ、アルノー・ロベール、「Happy Pills」の舞台裏

── 映像作品についてお教えいただけますか?

 本、雑誌の記事、展覧会、映像作品は、各々異なる読者や鑑賞者をターゲットとしているので、公開方法や場によって、プロジェクトの異なる側面にスポットを当てることができます。今回の映像作品は、非常に個人的な内容で、世界中の6人の薬の消費者のストーリーが語られています。私たちは、できる限りこの6名に密着し、かれらの日常生活の様子や、どれほど薬がかれらの生活の一部になっているのかを表現しようと試みました。本と展覧会では、それぞれの国の製薬業界や社会情勢について学ぶことができます。私たちは、世界で最も貧しい国のひとつであるニジェールから、最も豊かな国のひとつである米国まで、さまざま人々を映像におさめ、写真を撮りました。

── 薬の消費者である6名の方々を撮影した映像作品は、非常に個人的な内容だとおっしゃいましたよね。ウッズさんとロベールさんが撮影にいらっしゃった時、かれらの反応はどうでしたか?

 このプロジェクトが長引いた理由の一つは、私たちを受け入れてくれる適切な人物を見つけるのに時間を要したからです。このような時、ジャーナリストのアルノーと一緒に仕事をすることの強みが発揮されます。多くのリサーチが必要でした。マサチューセッツに住む10代の女の子の部屋に、彼女がまだ眠っている午前6時に入ったり、テルアビブのワイルドなゲイパーティに行く。あるいは、誰かが死ぬ瞬間まで追いかける。それらは極めて個人的な瞬間です。でも、私たちは、そこまで接近することが必要だと感じていました。

「Happy Pills」の舞台裏、ニジェールにて

夢を叶える──人間の限界を超えて

── KYOTOGRAPHIEでの展示についてもう少し詳しくお教えいただけますか? 展示内にはたくさんの情報が溢れることになりそうですね。

 スイスのLa Ferme Des Tilleulsという美術館で最初に展示をした後から、私とアルノーは、アルル国際写真フェスティバルとマグナム・フォトの元ディレクターで、現在はアンリ・カルティエ=ブレッソン財団のディレクターであるフランソワ・エベルが、「Happy Pills」の展示をキュレーションしています。私たちは、このプロジェクトがさまざまな展示会場に巡回する時の、適切な展示方法をたくさん考えました。この展覧会は現在ツアー中で、それが京都にやってきます。来場者の方々には、私たちのプロジェクトを通して旅をしていただけたらなあ、と思っています。「Happy Pills」の全体的なイメージは、大きなパズルのような感じです。来場者の皆さんが、展覧会でさまざまなパズルの「ピース」を見つけ、展覧会場を出るころには、「ピース」のはまったパズルが、消費者である私たちについての1つの大きなイメージとして成立してたらいいな、と思います。

── 私たちについてのパズル、ですか?

 薬の目的は治癒です。しかし、今日販売され、消費されている多くの薬は、病気を治すためのものではありません。「自分自身から」、あるいは人間である、ということから癒すためのものなのです。というのも、そもそも人間であるということ自体が、限界を意味するからです。人間が存在して以来、私たちは常に自分たちの限界を超えることを目指してきました。もちろん、最終的な限界は「死ぬこと」ですが、それ以外にも多くの限界があります。その限界を超えようとするために、人は宗教や哲学、イデオロギーを使いました。今日では、薬も使われます。薬によって、今までできなかったことができるようになるためです。これは昔から人間としての本質的な欲望なのです。文学の世界でも、人を好かれるための魔法の粉や、透明人間になる魔法の油などの話がたくさんありますよね。日本の文学も例外ではないと思いますが、文学作品の多くは、自分を変える何かについての物語で溢れています。「マトリックス」の中でルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』が引用されています:「青い薬を飲めば、お話は終わる。君はベッドで目を覚ます。好きなようにすればいい。赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまり、私がウサギの穴の奥底を見せてあげよう」
 今の製薬業界は、私たち自身を変容させることができてしまうのです。私たちは、人々を訪ね、かれらの家にあるすべての薬をその人たちと一緒に撮影しました。それは、私たちがいかに化学的なものに依存しているかを示しています。シカゴの近くで、世界で最も高価な薬の製造現場を撮影しました。一粒 210万ドルもする遺伝子治療薬で、遺伝子に働きかけることができるのです。数年前まではSFの世界でしただったものが、現在では現実のものとなっているのです。私たちは、化学的なものへの欲望をかき立てるさまざまな側面を紹介しようと思っています。

── 1粒の薬からそんな効果が得られるとは……。

 本当に信じられないことですよね。今、製薬業界で革命が起きています。私たち消費者と製薬業界との関係は非常に重大なのです。だからこそ、私たちはこのストーリーを語りたいと思いました。また、製薬業界は、最先端の研究とそのマーケティングが融合しているという意味で、非常にモダンな業界であることも興味深いです。良くも悪くもこの2つの側面が合わさることで、産業として非常に重要な存在になっています。

「Happy Pills」の舞台裏、イスラエルにて

薬を服用することと、ヘルスケアは同じではない

── ハイチの街角を歩く、ピルタワーを持った薬の売り子たちについても展示されるそうですね。ハイチの人々は、薬を1錠ずつ簡単に購入することができ、必ずしもパッケージで買う必要がありません。一方、アメリカでは、保険に加入していない貧しい人々も多く、かれらは薬を買うこともできません。なぜ、このような状況になったのでしょうか?

 まず最初にお伝えしたいことは、製薬業界は、他の産業よりも早く最貧国に目をつけたことです。そこで販売される薬は、素晴らしいものや実際に治る薬である必要はないのです。例えばニジェールでは、マラリアという予防できる病気で未だに人が亡くなっています。私たちがニジェールに行った時、若者たちはトラマドールという非常に強力な鎮痛剤を服用していました。この薬は、主に中国やインドで生産されており、製薬業界が推進している製品です。そこの小さな村には、電気も水道もなく、電話も通じないのに、鎮痛剤のパッケージだけはあるのです。また、糖尿病でも十分な医療を受けることができないけれども、非常に強力なオピオイド(鎮痛剤)は街角で売られている訳です。そして、多くの人々がこのオピオイドの中毒になってしまっているのです。アメリカの場合は、オキシコドンという鎮痛剤が良い比較例です。
 薬は世界中どこでも手に入りますが 医療はそうではありません。ハイチでは、医師やレベルの高い病院はありませんが、薬は入手することができます。実は、薬の売り子さんたち自身も、自分が何を売っているのかさえ知らないことが多いです。期限切れの薬もあれば、偽物もあり、自分の病気にふさわしくない薬であるかもしれません。製薬業界はグローバル化していますが、ヘルスケアは全くグローバル化していません。

── 私たちはかなり薬に依存しているということなんですね。

 はい。先進国でも、仕事で疲れたからと言って休むのではなく、薬を飲んで仕事を続ける人がいますよね。だから製薬業界は、もっと、もっと、もっと、と推し進める超資本主義なんです。病気を治すためではなく、痛みを消すための薬の消費量が非常に多いのです。それは、私たちにとって非常に興味深いことでした。

── でも、薬は人に自由を与えることもできますね。

 その通り。以前、ペルーの避妊薬について取材したことがあります。アマゾン地方では、25%の女の子が18歳までに出産を経験しています。ペルーは、家父長制の社会なので、女性が自分で生殖に関する権利を主張することに対して偏見があるのです。今では、ペルーにも自分と自分の体をコントロールすることで、もっと自由になれると気づいている若い女性たちがいます。この場合、ピルは解放的な革命となりますね。また、HIVの感染のリスクを減らすためのプレップ(PrEP)という薬についても取り上げたことがあります。これは、HIVの薬を内服していても性交渉が可能になる薬です。これも革命です。このようなストーリーを、世界各国で取材しました。日本にも、とても重要なストーリーがたくさんあるはずです。化学製品や薬が、思いもよらないところで人々の生活に影響を及ぼしているのを知るのは、大変興味深いです。

© Paolo Woods / Arnaud Robert

あなたの限界はどこですか?

── KYOTOGRAPHIEでの「Happy Pills」の展示は、来場者の方々がたくさんの疑問を持つ場になると思います。そこで、ウッズさんご自身が製薬業界についてどのようなお考えをお持ちなのかお聞かせいただけますか。

 私たちは、資本主義社会に生きていますね。資本主義の基本は「需要と供給」です。それは薬も同様です。製薬会社からの供給は非常に良好で、消費者の強い需要もあります。私たちは製薬業界の話をする時、すぐに「良い」か「悪い」のどちらかの立場に立って議論してしまうことが多いです。でも、私とアルノーが伝えたいのは、製薬業界の善し悪しではありません。表現したいのは、この業界と私たち自身の関係です。例えば、もし私の母が病気になり、製薬業界が母を救ったなら、私はこの業界を愛すると思います。でも、もし私の弟が北米で製造されている合法の医薬品、オキシコドンの中毒になり、過剰摂取で死亡したならば、私はこの業界を憎むでしょう。だから、私にとっては、「良い」か「悪い」かという評価ではなく、人間として、いつ、どこで、「これが私の限界です」と受け入れることができるか、ということが重要なのです。

── ウッズさんは世界中の社会問題に精通されていることと思います。そこで、現代社会について何をお考えか、日常生活で大切にされていることについてお聞かせいただけますか。

 そうですね……私は自分が住んでいる社会以外の社会についてはあまり知らないと思いますが……。私の仕事のほとんどは、資本主義を解読することだと言えるでしょう。私は、資本主義の破壊的な側面を、どうにかして制限できないかを探求することに興味があるのです。これは、私にとって非常に重要なことです。これまでずっと、政府が弱くなり、企業が強くなるのを見てきました。これがひとつめ。もうひとつは、愛です。愛以上に大切なものはないと思っています。幸いなことに、愛の薬はまた開発されていません。だから、薬を飲んで恋に落ちるなんてことはできませんよね。

── KYOTOGRAPHIEの来場者に向けて、一言メッセージをお願いいたします。

 まずは「どうぞお越しください!」とお伝えしたいです。このフェスティバルに参加できることを、とても楽しみにしています。来場者の方々には、私たちの展示に「びっくりマーク」ではなく、「はてな」をつけていただけたら、と思っています。つまり、「ワオ!」ではなく「え?」と問いかけてほしいのです。私は、人々が自分自身に疑問を持ってもらえたら、と思うので。

「Happy Pills」の舞台裏

デン・ハーグ(オランダ)生まれ。オランダ人とカナダ人の両親の元でイタリアで育つ。ロンドン、パリ、ハイチ、コートジボワールでの活動経験を経て、現在はフィレンツェを拠点とする。写真専門のギャラリー兼ラボの経営後、自身もドキュメンタリー写真に専念。写真と研究を融合させた長期プロジェクトに従事している。
ウッズはこれまでに八冊の著書を出し、彼が携わったプロジェクトは、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ル・モンド』紙、『ガーディアン』紙などの国際的な主要メディアで定期的に発表されている。また、フランス、アメリカ、イタリア、スイス、中国、スペイン、ドイツ、オランダ、ハイチなどで個展が開催され、世界各地で数多くのグループ展に参加。ウッズの作品はエリゼ写真美術館、ユニポール社、フランス国立図書館、国立現代アート基金機構(FNAC)、シェイク・サウド・アル・タニコレクション、セルヴェコレクションなど、プライベートおよびパブリックコレクションに所蔵されている。二度の世界報道写真賞をはじめ、さまざまな賞を受賞している。写真表現の限界を探求するコレクティブ兼出版社のRIVERBOOMの共同創設者。
2022年、イタリアの国際フォトフェスティバル「Cortona On The Move」のアーティスティックディレクターに就任し、「Me, Myself and Eye」(コルトーナ、イタリア 2022)と題した展覧会をキュレーションした。

Arnaud Robert アルノー・ロベール

1976年スイス生まれのジャーナリスト、映画監督、作家。ロベールの記事は『ル・モンド』紙、『ル・タン』紙、『ラ・レプッブリカ』紙、『Néon』誌、『Les Inrockuptibles』誌、『Vibrations』誌をはじめとする多くの国際的な主要メディアに掲載されている。また、スイスの公共放送局であるスイス放送協会フランス語放送番組へ定期的に寄稿している。これまでに「Bamako is a Miracle」(2002)、「Bondyé Bon」(2011)、 「Gangbé!」(2015)の三本のドキュメンタリー映画を監督。ロベールの映画作品は、モントリオールの映画祭「Vues d'Afrique」やパリの映画祭「Jean Rouch」で賞を受賞した。
画家フレデリック・クロと共著した全7巻『Hors-Bord』(art&fiction 2010)、パオロ・ウッズとの『STATE』(Photosyntheses 2013)、そしてハイチの『Le Nouvelliste』紙で発表されたコラムをまとめた『Journal d'un Blanc』(Editions de l'Aire 2014)などの多くの著書がある。
さらに、「Vodou, un art de Vivre」展(民族学博物館、ジュネーブ、スイス 2008)の参画者の一人であり、同展はその後10カ国に巡回した。ロベールは、ジャン・ドゥミュール賞、フランス公共ラジオ放送賞、2020年には世界中のトイレ革命に関する調査でスイス報道写真コンテストで大賞を受賞。

curator キュレーター

François Hébel フランソワ・エベル

1958年生まれ。世界五大陸で1000展以上の展覧会を開催、書籍の出版、教育プログラム、スライドショーやライブショーを実施するプロデューサー兼キュレーター。42年間に渡り写真家とのプロジェクトに携わる。マーティン・パー、ナン・ゴールディン、JR、ロベール・ドアノー、ワン・チンソン、ポール・グラハム、レイモン・ドゥパルドン、アニー・リーボヴィッツ、セバスチャン・サルガド、ハリー・グリエール、アルフレッド・ジャー、ザネレ・ムホリ、アンリ・カルティエ=ブレッソンをはじめとする、今や名だたる写真家たちの駆け出しの頃のコラボレーターであり、デジタル写真を初期段階から牽引してきた。エベルは、アンリ・カルティエ=ブレッソン財団のディレクター(2017–2022年)、Month of Photography of Greater Parisの創設者兼ディレクター(2017年4月)、ボローニャのビエンナーレFoto/Industriaのアートディレクター兼共同創設者(2013・2015・2017年)、ニューヨークのFIAFギャラリーでの「French Protocol」プログラムのアートディレクター(2015–2018年)を務めた。また、アルル国際写真フェスティバルの元ディレークター(1986・1987・2001–2014年)、北京(2010・2013年)とニューデリー(2010・2011年)の写真祭の共同創設者兼アドバイザー、コービスの元副社長(2000–2001年)、マグナム・フォトの元ディレクター(1987–2000年)、FNACストアギャラリーの元ディレクター(1983–1985年)でもある。現在Retail and Connexions(フランス国鉄SNCFの子会社)の理事。

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