2021年以来となる国内開催「世界報道写真展2024京都」

Palestinian woman Inas Abu Maamar, 36, embraces the body of her 5-year-old niece Saly, who was killed in an Israeli strike, at Nasser hospital in Khan Younis in the southern Gaza Strip, October 17, 2023. REUTERS/Mohammed Salem

2024年11月30日(土)~12月29日(日)の期間、京都新聞ビル地下1階印刷工場跡を会場に、「世界報道写真展2024京都」(主催:世界報道写真展2024京都実行委員会)を開催します。 World Press Photo(世界報道写真展)は、オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)が開催するWorld Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)の入賞作品を展示するものです。今年は130の国と地域約4,000人から約6万の写真とプロジェクトの応募があり、入賞者約30人の作品を展示します。 World Press Photoは、日本でも「世界報道写真展」の名称で親しまれ、長年開催されてきましたが、2021年 を最後に開かれていません。 この写真展は、世界各地で起こっていることと、つながる場になります。毎日、国内外のニュースを印刷していた印刷 工場跡を会場に、写真の持つ力、報道の役割を考える機会にしていただければ幸いです。

■開催概要

  • 名称 世界報道写真展2024京都
  • 会期 2024年11月30日(土)~同12月29日(日)※12月15日(日)は休館
  • 時間 午前10時~午後6時
  • 会場 京都新聞ビル地下1階印刷工場跡(京都市中京区烏丸通夷川上ル)
  • 入場料 無料
  • 主催 世界報道写真展2024京都実行委員会(京都新聞、世界報道写真財団)
  • 特別協賛 富士フイルム株式会社
  • 特別協力 一般社団法人KYOTOGRAPHIE
  • 助成 オランダ王国大使館
  • 後援 京都府、京都市、KBS京都、エフエム京都
  • 問い合わせ 事務局(京都新聞COM事業推進局内)
    • 電話 075-255-9757(平日午前10時~午後5時)
    • E-mail wpp2024kyoto@mb.kyoto-np.co.jp
    • X、Facebook、Instagramのアカウント @wpp2024kyoto

■世界報道写真コンテストについて

World Press Photo Contest(世界報道写真コンテスト)は、世界で最も権威のある写真コンテストの一つです。オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)が運営し、年に1回、前年に世界各地で撮影、制作された報道写真から受賞作を選びます。コンテストは1955年に始まり、今年で67回目となります。最初の年は11カ国42人からの応募でしたが、今年は130の国と地域、約4,000人から約6万の写真とプロジェクトの応募がありました。六つの地域(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北中米、南米、東南アジアとオセアニア)ごとに、シングル、ストーリー、長期プロジェクト、オープンフォーマットの4部門の地域優勝者を決め、その後、4部門のグローバル優勝者を決定します。今年はそれら24作品に加え、佳作と審査員特別賞が数点選ばれました。

■今年の展示作品について

「今年の写真」(World Press Photo of the Year)に選ばれたのは、ガザのパレスチナ人フォトジャーナリスト、モハメド・サレムさんが撮影した「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」です。昨年10月17日、イスラエル軍のミサイルが自宅を直撃し、死亡しためいのサリーさんをイナス・アブ・マアマルさんが抱いています。サレムさんは、イスラエルの包囲によってオランダでの授賞式に来ることはできず、ビデオメッセージで登場しました。サレムさんは破壊された建物の前で、大勢のジャーナリストが亡くなっていること、食料や水、医薬品を手に入れるのが難しい現状を語り、「あなたが見る写真が、この戦争を止めるための圧力となることを願っています」と訴えました。

他のグローバル受賞者は、ストーリー・オブ・ザ・イヤー(Story of the Year)がリー・アン・オルウェージさん(南アフリカ)の「ヴァリナ・バベナ」、長期プロジェクト賞(Long-Term Project Award)がアレハンドロ・セガラさん(ベネズエラ)の「2つの壁」、オープンフォーマット賞(Open-Format Award)がジュリア・コチェトバさん(ウクライナ)の「戦争は個人的なもの」です。

また、京都新聞の松村和彦が連載「700万人時代-認知症とともに生きる」で撮影した30枚の写真を「心の糸」と題して、革新的な表現を求めるオープンフォーマット部門に応募。アジア地域の優勝者となりました。松村は、認知症の本人の心情と症状を写真と文章で表現し、誰もが自分や身近な人が認知症になる時代を迎えた超高齢社会の日本のあるべき社会像を伝えようとしました。

写真展は、ロシアによるウクライナ侵攻やミャンマーの軍事政権による市民弾圧で、尊い人命が奪われていることも伝えます。アマゾンの干ばつやカナダの森林火災、アメリカやフィジーの海面上昇など同時多発的に気候変動による環境問題が起こっていることも一目瞭然です。

■クラウドファンディングを実施

「世界報道写真展」の国内開催を「復活」させるきっかけとなったのは、京都新聞の連載「700万人時代-認知症とともに生きる」の写真シリーズが今年のコンテストで入賞したことでした。入賞した京都新聞記者の松村和彦は、世界報道写真財団の展示担当ディレクター、バベット・ワレンドルフさんと日本開催について話し合い、かつて新聞を印刷していた京都新聞ビル地下の印刷工場跡を会場に開催することとなりました。開催費用を補うために、クラウドファンディングで支援金を募ります。今回の展示では、世界報道写真財団の本部があるオランダ・アムステルダムで今年春から夏にかけて開かれたワールドプレミア展のプリントを輸入する許可を同財団から特別に得ました。ご協力いただいた支援金は、輸送費や会場設営費などに使わせていただきます。

クラウドファンディングのウェブサイト https://the-kyoto.en-jine.com/projects/wpp2024kyoto

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