本プログラムはKYOTOGRAPHIEとEarth Day in KYOTOが共同で実施する「Earth Day in KYOTOオープニングイベント」です。1日を通して、地球や環境、食にまつわる様々な題材について考えるきっかけとなるよう、映画上映やトークイベントを企画しております。映画は「シード~生命の糧~」では、近年の作物の栽培や採種がどのように行われているのかその動向を追い、そのあとのトークイベント「種の行方、農業の行方」ではその土地の環境や生態系にあった農業のあり方やその選択肢について現役農家と専門家が意見を交わします。ブレイクタイムには「カポエィラ アンゴーラ インジンガ京都」によるパフォーマンスをお届けします。1日の最後には、ブラジル・アマゾンの先住民・ヤノマミ族のリーダーでシャーマンでもある、ダビ・コペナワ氏をスぺシャルゲストに招き、ヤノマミ族の暮らしや歴史について、変容するアマゾンの環境を地球全体の問題と捉えて、アマゾンの環境保全を訴えるその深い意味についてお話を伺います。
ダビ・コペナワ(1956年頃、マラカナ地方モラ・マヒ・アラオペ村生まれ)はシャーマンであり、またブラジルのヤノマミのオピニオンリーダーとして彼らの権利と土地を守り続けている。 彼の母親は、アメリカのNew Tribes Mission(世界各地の先住民族・少数民族への布教に特化した活動を行うキリスト教福音派教団)の宣教師が彼らの村に持ち込んだ麻疹の流行で死亡した。この宣教師は、彼にダビという洗礼名を与えた人物でもあった。コペナワ(狩り蜂の一種コペナに由来する)は若い頃、非先住民のもとで働くためにヤノマミの土地を離れた。15歳の時、先住民族のための施策を担うブラジル連邦政府機関、国立先住民族基金(FUNAI)で案内役兼通訳として働き始めた。1970年代に自身のコミュニティに帰還。1980年代以降、コペナワは世界中を飛び回り、ヤノマミの土地の法的権利の承認と先住民の保護を訴えてきた。彼はラテンアメリカで最も重要な先住民族リーダーの一人である。彼の言葉は、人類学者ブルース・アルバートとの共著『The Falling Sky: Words of a Yanomami Shaman』(Belknap Press , 2013年)の出版によって、新たに世界中の読者を獲得した。本展では、彼の言葉や著書からの引用が随所に登場する。