作者不明「二条城、京都」1890年代、手彩色、鶏卵紙 ©Guimet National Museum of Asian Arts

作者不明「二条城」京都 1890年代 手彩色
©Guimet National Museum of Asian Arts

玉村康三郎「時代祭の行進(織田信長に扮した男性)」京都 1900年頃 手彩色 ©Guimet National Museum of Asian Arts

玉村康三郎「時代祭の行進(織田信長に扮した男性)」京都 1900年頃 手彩色
©Guimet National Museum of Asian Arts

玉村康三郎「時代祭の行進 平安神宮 大極殿近辺」京都 1900年頃 手彩色 ©Guimet National Museum of Asian Arts

玉村康三郎「時代祭の行進 平安神宮 大極殿近辺」京都 1900年頃 手彩色
©Guimet National Museum of Asian Arts

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 秋季特別展 明治150年記念 フランス国立ギメ東洋美術館「明治」写真コレクション展

日本が動いたとき~近代黎明期の京都

  • 10月21日(日)- 12月20日(木)
  • 二条城・蹴上インクライン・平安神宮での野外展示
    • 平安神宮は10月25日から開催
    • 二条城は入場料金が必要です(一般料金600円ほか)
    • 二条城への入場は16:00まで
  • 同時開催
  • 11月1日(木)- 12月2日(日) | 休: 11月26日
  • 虎屋 京都ギャラリー

入場無料

世界屈指の文化都市・京都を舞台に開催される、日本でも数少ない国際的なフォトフェスティバル「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。国内外の重要作家の貴重な写真作品を、趣きのある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間に展示する本写真祭も、回を重ねるごとに好評を博し第6回までに約56万人の方にご来場いただきました。

2018年秋、明治150年を記念し、フランス国立ギメ東洋美術館「明治」写真コレクション展「日本が動いたとき~近代黎明期の京都」を開催いたします。明治維新を境に、江戸から明治へ、近世から近代へと、日本は新たな時代を迎え、市民の装いから街並みまで、ありとあらゆる物事が新しく生まれ変わりました。そんな激動の時代、京都は近代都市へと歩を進め市民は新しい文化を受け入れながらも、同時に「古き良き京都」の維持と存続にも力を注ぎました。

本展では、明治期に撮影された古写真(野外用写真パネル)を明治ゆかりの京都の名勝地にて展示いたします。近代黎明期の空気感あふれる古写真に街中で出会うことで、京都の風景の変遷や、生活様式の移り変わり、そして現代にも脈々と受け継がれる《伝統と革新が共存する街・京都》を感じることでしょう。

この明治初期の風潮は「文明開化」と呼ばれています。日本は明治以降、さらに敗戦後においても近代化=西洋化を推し進めて参りました。しかし西洋文明が入る以前の日本の文明は開化していなかったのでしょうか──私たちはこの野外展示が、日本が失ってしまった大切なものを再認識する機会になればと願っています。京都が日本の文化的中心の一つとして再び注目を浴びている現在、京都がこれからどこを目指していくかが、重要な意味を持つのではないでしょうか。

KYOTOGRAPHIE 共同創設者/共同代表
ルシール・レイボーズ & 仲西祐介

本年は、明治改元から150年の節目の年。本市ではこれを記念し、フランス国立ギメ東洋美術館が所蔵する幕末明治期に撮影された古写真のコレクションを、KYOTOGRAPHIEの御協力により、明治ゆかりの地で野外用写真パネルにて展示します。

今から150年前、日本が近代国家への歩みを進める一方、京都は事実上都の地位を失い、人口が3分の2に減少するなど都市衰退の危機に直面していました。この困難に当時の人々は、日本初の小学校の創設、琵琶湖疏水の開削、路面電車の開業など未来を見据えて行動し、まちを見事復興へと導いたのです。その精神は脈々と受け継がれ、今日の京都の発展を支えています。

ぜひこの機会に、貴重な写真の数々を御覧いただき、先人たちの歩みに思いを馳せてください。そしてその志や誇りに学び、今と未来に活かしてまいりましょう。

京都市長
門川大作

ギメ東洋美術館は東洋美術を専門とするフランスの国立美術館です。 美術館の名は設立者のエミール・ギメに由来するもので実業家だった彼が日本や中国、インド等で収集した美術品や遺物をもとに、東洋の宗教や精神を習得すべく1879年リヨンで設立しました。この後、1889年にパリに移設、1929年に国立美術館となりました。ルーヴル美術館所蔵の東洋コレクションが移された同館は、現在、非アジア圏で最大規模の東洋美術コレクションを誇ります。
写真コレクションには、幕末から明治期の日本で撮影された貴重な作品が多数収蔵されています。同美術館が所蔵する多様で豊富なコレクションにより、明治時代の様相が伺える本展が実現しました。日本の近代化は幕末より始まり、維新後の政治が安定し新政府による数々の改革が実行された明治時代以降、より加速しました。しかしその大きな変化が写真に映っていることは極めて稀です。

本展では、日本を象徴するような一般的な写真を展示するのではなく、ギメ東洋美術館が所蔵する豊かなコレクションの中でも特に貴重な作品群を展示します。京都初の水力発電所による産業復興、文化観光業の誕生などが収められた写真など様々な風景が切り取られた作品群は、150年前の日本がどのようなものだったかに思いを馳せることのできる特別な眼差しを鑑賞者に提示することでしょう。

イナルコ日本研究センター
写真史研究家
クロード・エステーブ

フランス国立ギメ美術館
写真部門責任者
ジェローム・ゲスキエール

二条城 東南隅櫓前広場
  • 10月21日(日) - 12月20日(木)
  • 8:45 - 17:00 | 無休
    • 二条城への入城は16:00まで
    • 二条城への入城料金が必要となります(一般料金600円ほか)
  • 秋季特別ライトアップ
  • 11月3日(土) - 12月9日(日)
  • 17:30 - 22:00 (入城は21:00まで)
  • 二条城の入城料金が必要となります

〒604-8301
京都市中京区二条城通堀川西入二条城町541
地下鉄東西線「二条城前」駅
1番出口から徒歩1分

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1603年徳川初代将軍家康が上洛時の宿泊所として造営、3代将軍家光により1626年に完成。江戸時代の終わりを告げる大政奉還が二条城で表明され、徳川家の栄枯盛衰を見守り、日本の歴史が移り変わる大舞台となった場所でもあった。
本写真展では、二条城の当時の風景をはじめ、明治天皇や江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜、京都の街並や年中行事の写真作品を展示する。江戸から明治へと時代が変遷し、着物をまといながら洋傘を差す市民など、装いも西洋化される一方で、市街地から離れると変わらぬ素朴な風景も広がる。同時代ながら今昔が混在しているような、黎明期ならではの光景がうかがえる。また、現在と変わらぬ面影も垣間見え、伝統と革新を重んじる京都を感じさせる作品群である。

蹴上インクライン
  • 10月21日(日) - 12月20日(木)
  • 線路に常時展示 | 無休
  • 入場無料

〒606-8443
京都市左京区南禅寺草川町

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明治維新と東京奠都により意気消沈した京都に活力を呼び戻すため、京都府は1885年(明治18年)に第1琵琶湖疏水の建設に着工し、1890年(明治23年)に完成した。1891年(明治24年)に営業を開始した蹴上インクラインは、琵琶湖疏水の急斜面で台車に船を載せて上下させた傾斜鉄道である。1948年(昭和23年)の休止後、一度は撤去されたが、1977年(昭和52年)に復元され、当時をしのび線路や台車などが保存されている。
本写真展では、インクラインの当時の風景とともに、琵琶湖周辺の風景、外国人向けのホテルや停車場などの風景を展示する。疏水の水力を利用し発電することで新しい工場が生まれ、路面電車も走り、京都の街は活気を取り戻した。新しいテクノロジーが発展する機会を創出し、現代の京都のまちづくりの礎を築いた当時の風景がうかがえる。

平安神宮 応天門前庭
  • 10月25日(木)- 12月20日(木)
  • 6:00 - 17:30(10月) / 17:00(11月) | 無休
  • 入場無料

〒606-8341
京都市左京区岡崎西天王町97

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1895年(明治28年)、平安遷都1100年を記念し創建された。明治維新後に事実上首都が東京に遷ったのち、京都復興と古き良き京都の維持継承の気運のもと、京都市民の総社として鎮座している。
本写真展では、建設当時の平安神宮の風景や第一回時代祭を収めた写真作品を展示する。東京より巡回した第4回内国勧業博覧会は、1895年4-7月に岡崎公園で開催され、平安神宮の前身である建物も博覧会の会場として使用された。博覧会には1,136,695人の来場者が訪れ、京都が観光地として認識される先駆けとなった。博覧会の正式な交通機関として日本で初めて路面電車が登場し、電力時代の幕開けともなった。また同年10月に京都の建都1100年の紀念祭が開催され、その翌日に時代風俗行列が行われ、これが今日に続く「時代祭」となった。

虎屋 京都ギャラリー
  • 11月1日(木)- 12月2日(日)
  • 10:00 - 17:00 | 11月26日(月)休館
  • 入場無料

〒602-0911
京都市上京区一条通烏丸西入広橋殿町400
虎屋菓寮 京都一条店 横
地下鉄烏丸線「今出川」駅 6番出口から徒歩7分

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